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ホテル代がないっ!

 「うわあ、きれい! ねえ、多加志も見てみなよ」

 美穂は感動と驚きの混同したような声を発した。顔を見なくとも、感極まった表情が目に浮かぶ。

 「俺は運転しているから無理だよ。美穂が楽しんでるんだったらそれで俺は満足だからさ」

 美穂はその言葉を聞くと、照れたように俯き、黙って夜景に目をやった。

車中から見る夜景はとても奇麗だった。美穂は免許を持っていないし、
夜中に出歩くこともあまりないので、こういった角度から夜景を眺めるのは初めてだった。

夜の闇に浮かぶ、マンションやビルの窓から出される明かり、列を成す車のブレーキランプ。

それらの人工的な明かりが、一定以上の距離を置いて眺めると、
こんなにも奇麗なものなのだということに、美穂はこのとき初めて知ったのだった。

美穂の胸にずっとつかえていた、「友達の家に泊まる」と言って母親を騙し出てきたた罪悪感は、
この夜景を見たら吹っ飛んで行ってしまった。

多加志の運転する車は、山道を登っている最中だった。
東京郊外にあるこの山道を、ある程度上がっていくと
素晴らしい夜景が楽しめる。多加志はこの山道を、「デートにいいぞ」と言われ、大学の先輩から教えてもらったのだった。

美穂と付き合い始めて3ヶ月が経つ。 

同じ学部で知り合った二人はすぐに意気投合し、どちらからともなく付き合うようになった。

しかしその3ヶ月の間、多加志はバイトやらレポートに追われ、デートらしいデートをする時間も取れなかった。

美穂の機嫌は日を追うごとに悪くなっていった。それは日に何通もやりとりするメールで明らかにわかった。

危機感を感じた多加志は、ようやく多忙も落ち着いたところで美穂をドライブに誘ったのだった。

夜景でも見せれば機嫌も直って、心も身体も許してくれるかもしれない。

それに夜景を見に行くという口実があれば、待ち合わせる時間は都合良く夜になる。ホテルにも誘いやすいという訳だ。

夜景ドライブはこうした多加志の打算の元、計画されたのだった。

 ドライブデートは終盤を迎え、車は山道を下り、ネオンの輝く夜景は序々に美穂の視界から遠ざかっていった。

美穂の機嫌はすっかり良くなっていた。美穂はうっとりとした表情で、甘えるように言った。

 「ねえ、多加志。わたし、なんだか眠くなってきちゃった。どこか休めるところないかなあ?」

 美穂も今日はその気で来たのだった。今日は帰らないつもりだったから、
親に「友達の家に泊まる」と嘘までついて出てきたのだ。

多加志の心臓は高鳴った。すぐに休めるところを手配するよ、と美穂に伝えると、
気付かれない程度に車のスピードを上げ、ホテルを探した。

多加志の軽自動車は山道を下り、平坦な道路へ出た。

深夜ということもあって、他の車はほとんど見当たらない。

 確か、この辺りにラブホがあったはず。多加志はスピードを落とし、左右に目を走らせてホテルの看板を探した。

何せ久方振りのセックスで、多加志の頭は混乱していた。

 まず、部屋に入ったら先に美穂にシャワーを浴びさせて、それから俺も身体を洗って、しまった、コンドーム持ってないぞ。
あ、でも確かホテルにあるよな。料金はいつ払うんだっけ? 前行ったとこは後払いだったよな。
待てよ。そういえば俺、金持ってたっけ? 
思い出した。やばい、給料日前で確か財布に2千円くらいしかなかったんだった。

 多加志は富士山の頂上から突き落とされたような感覚を覚えた。

さっきまでの興奮と期待は、不安と焦りにすり替わった。

美穂は潤んだ瞳をたまにこちらに向けると、口元を小さく歪ませ、はにかんだように微笑んだ。

その様子から、既にある種の期待があることが見て取れた。

いつもだったら大歓迎であるその期待は、多加志をより一層焦らせた。

 せっかく美穂がその気になっているのに、このまま帰るのももったいないし、
かといってお互い実家住まいだから帰ったところでできるわけじゃないし・・・・
金がないからホテルに入れないなんてかっこ悪くて言えないし、それに美穂にホテル代を払ってもらうのはプライドが許さない。

多加志は平静を装って美穂に微笑みを返したが、頭の中は、どうしようかという様々な思考が駆け巡っていた。

どう考えても名案は浮かびそうになかった。多加志は時間稼ぎ目的で、こう提案した。

 「あ、俺さ、その前にやっぱり、美穂と一緒に夜景ちゃんと見たいな。記念に夜景をバックに一緒に写メ撮りたい。
また戻ることになっちゃうけど、ここからなら15分くらいとばせば景色良いところに出れるからさ」

 多加志の提案に、美穂は快く承諾した。美穂は記念の写真や一緒に何かしたいという要望に弱いのだ。

元来た道を辿り、車は再び山道を上った。

15分ほど車を走らせると、先程までとはいかないまでも奇麗な夜景が見られるようになった。

多加志は車を車道の端に寄せて停車させ、二人は車から降りた。

多加志は美穂の腰に手を回した。二人は「きれいだね」等と言い合い、眼前に広がる夜景を一緒に眺めた。

夜景は確かに奇麗だった。だが今の多加志には、純粋にそれを楽しむ余裕はない。

携帯カメラで記念撮影をしている最中も、はしゃぐ美穂の傍らで、性行為に適した場所はないかと思案しているのだった。

一通り納得のいく記念撮影を終えて充分に夜景を楽しんだ後、
興奮が落ち着いたのか、美穂は急に夜風が身に染みてくるのを感じた。

 「寒くなってきたね。そろそろ車に戻らない?」

 美穂は提案した。

車、そうか。多加志は何かひらめいたようであった。

 「ねえ、後ろの座席に二人で座って、話でもしようよ。俺、この夜景を見ながら美穂と話したいな」

 「どうしたの、多加志。今日はなんか変だよ」

 「変? かな」

 多加志は自分の欲望を見透かされたのではないかとドキリとした。

 「だって、美穂と一緒に何かしたいなんて普段の多加志だったら絶対に言わないもの。
いつも美穂が楽しければそれでいい、って言ってくれてたから。
でも、やっぱり二人で楽しい方が嬉しいもん。だから一緒に夜景見たいって言ってくれて嬉しかった」

 美穂はそう言うと後部座席に乗り込んだ。多加志も慌てて扉を開けると、美穂の隣に座った。

二人は付き合いだした頃のことや、今度行ってみたいデートコースなんかをとりとめもなく話した。

自然と二人の間にあった間隔は狭くなり、気が付くと二人の肩と太股は、互いに密着していた。

ミニスカートから伸びた、程よく肉付いた美穂の色白の太股が、ジーンズ越しに熱を伝える。

多加志はたまらなくなり、身をよじって美穂を抱きしめた。美穂も多加志の背中に手を回してきた。

その手を確認すると、多加志は美穂の唇をついばむように唇を重ねると口腔内に舌を忍ばせ、
互いに舌を絡め合い、唾液を交換しあった。

唇を貪り合いながら、多加志は美穂の胸元に手を当て、突起を確認すると服の上からそこを執拗に捏ねた。

 「んっ、だめだよぉ、こんなところで」

 美穂は小さく抵抗した。ここまできたら、止めるわけにはいかない。

多加志は抵抗する美穂を無視し、ブラウスのボタンを全て外すと、ピンクのブラジャーを上に持ち上げ、美穂の乳首に吸い付いた。

 「あっ、ああっ」

 美穂は小さく喘いだ。手のひらにすっぽりと収まる両の乳房を揉みしだくと、多加志の手の中で、乳房は自由自在に形を変えた。

 「だ、だめだってば。ここじゃ狭いし、それに、誰かに見られちゃう」

 美穂は吐息をもらしつつも言った。

 「大丈夫だって。こんな時間にこんな山道、誰も通らないって」

 多加志は両手で乳房をわしづかみ、交互に左右の乳首を舌で転がし、存分に美穂の乳房を味わう。

多加志は美穂の身体の中で、とりわけこの胸がお気に入りなのだ。

ある程度大きさもあって、乳首が小粒で可愛い。多加志はねちっこく美穂の乳首を愛撫し続ける。

 「んっ、あっ、はんっ」

 美穂の吐息は荒くなり、もはや抵抗する色も薄れていた。

多加志は太股の間に手を忍ばせると、しっとりと湿ったパンティの上から陰核を刺激した。

ぐりぐりと押し付けるように中指を回転させると、美穂はさらに大きな声を上げた。
パンティ越しにでも、中指が湿るくらいに美穂の秘芯は濡れてきていた。

 「あっ・・だ、だめぇ・・そこは・・あっ、ああんっ」

 多加志は堪らずジーンズとトランクスを膝まで下ろした。

 「だ、だめだよう。こんなとこで・・狭いし、恥ずかしいし、無理だよぉ」

 美穂は哀願するように言った。先程から、何台か自動車が目の前を通り過ぎていた。
もし歩行者や自転車が通ったら、完璧に見られてしまう。美穂にとって、それは堪らなく恥ずかしいことだった。

 「大丈夫だって。こんな時間に歩いてる奴なんかいないよ。
美穂が俺の上に座って入れてくれれば、この狭い車の中でもできるよ」                                      

 多加志は美穂の心中を見透かしたかのように言った。

車の中なんて絶対嫌だと思っていたけれど、多加志の愛撫を受けた身体はすっかり火照りあがり、
美穂の秘芯は多加志の肉棒を埋めたくて疼いている。

美穂は硬直したペニスを露出させたままシートに腰掛けている多加志と向かい合い、腰を落として肉棒を秘芯に埋めていった。

 「ううっ」

 肉棒が全て飲み込まれると、多加志は久方振りの美穂の肉壁を感じて、思わず声を上げた。

美穂はゆっくりと腰をグラインドさせ、二人は車内で座位のまま性器を接触し合った。

 「ああ、美穂、気持ちいいよ」

 「美穂も気持ちいいよ、多加志」

 美穂はそう言うと、激しく腰をグラインドさせた。多加志は美穂の腰をつかみ、
美穂の動きに合わせて腰を上下にふりつつ肉ヒダと締め付けを味わった。

車内は二人の腰の動きに合わせて激しく揺れた。幸い、車が何台か通っただけで、歩行者や自転車は見当たらなかった。

 「ううっ。美穂、いいぞ・・」

 「あっ、あっ、あっ、あっ、多加志、美穂も気持ちいいよぉ」

 「美穂、そろそろ行くぞ」
 
 「うん、多加志の、いっぱいちょうだい」

 「うっ、ああっ」

 多加志は美穂の膣内に精液を放出した。

すっきりとした多加志は思った。

人に見られるかもしれないスリルと、ホテル代の節約。カーセックスも悪くないな、と。

 「もう、多加志の意地悪。もう車の中は嫌だからね」

 美穂は多加志に抱きついたまま言った。

多加志は考えた。今後どうやって美穂をカーセックスに誘おうかと。

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