銀魂のタグを付けられた記事一覧

銀魂 夢小説 私を宇宙へ連れてって

まだ真っ暗な時間帯、携帯の目覚ましコールを手探りでなんとかとめる

睡眠不足もいいところでなかなか開かない目をやっとこじ開ければ目の前にはモジャモジャの毛玉・・・じゃなくて辰馬の寝顔がある

昨夜久々に地球に戻ってきた辰馬と肌を重ね、気がつけば明け方近くになっていてほとんど寝ていない

「この終わり知らず!」

そう言って頬に軽くキスを落とすと幸せそうによだれなんか垂らしちゃって夢の中で笑ってる

「どうせ宇宙の夢でも見てるんでしょ」

日頃かけている赤味を帯びたサングラスがないぶん子供っぽい寝顔にもう一度キスをした

起こさないように身支度を整えコーヒーを用意した後合鍵とメモを残し仕事に向かう

「ちょっと、そこのお姉さん腰の動きが変じゃね?」

狭い歩道を歩いているといきなりかけられた声にギョッとして振り向けば、朝日を浴び銀色に髪を輝やかせ同じ色の原付に乗る銀さんの姿があった

「銀さん!どうしたのこんな時間に!?」

まだ息が白く変わるこの時間に銀さんを見るのはかなり珍しい

「今日は新台の日でよ、ここで食費代くらい稼いどかなきゃなきゃ新八に怒られちまうんだよ」

手首を回しながら口端を上げる銀さんに頬が緩んでしまう

「で、辰馬の奴来てんだろ?」

「も~銀さんはなんでも知ってるんだから」

「商売柄な、まぁ二三日いるんならこっちにも顔出せっていっとけ」

原付にまたがり「じゃな」と走り出した銀さんの背中を見送った

銀さんの友人という辰馬と一緒飲んで始まった恋

日頃辰馬は宇宙にいてほとんど会えることはない

私の仕事も忙しかったから一緒に時間を過ごせる時間は限られてるし、昨夜のようにサプライズできてくれるのは本当にうれしい

今日は仕事を切り上げて早く帰ろう・・・・そう思う日に限って仕事はなぜか山積み

やてもやってもゴールが見えない!

「まずい~~~辰馬帰っちゃうよ~~~!!」

それでなくても一箇所に安住しない辰馬がフラフラと呑みに行く前にと気ばかりあせる

ようやく区切りがついて荷物をカバンにギュウギュウと押し込み会社を飛び出すとすでに夕闇に街は染まっていた

急げ急げと、日頃は使わないタクシーに飛び乗ろうとした時伸びてきた腕に抱きしめられる

「見つけたぜよ~!」

「辰馬!?」

人通りの多い街頭で子供のように抱き上げられ足が地面につかない・・・・・

「ちょ・・・辰馬恥ずかしいからやめて~~~」

「ん~~~~ええ臭いじゃ またやりとうなってくるきに」

首もとに顔を埋められクンクンと鼻をならすなんてアンタ犬ですか~!?

こんな職場の目の前で何してくれんのぉぉぉ!!

もう!とモジャ髪をつかんで引き剥がせばイタイとサングラスの奥の目が涙目になる

「ひどいぜよ わしゃぁおまんを迎えに来たっちゅうに~」

そういいながら路駐してある銀色の原付の後ろに座らされた

「これ・・・・銀さんの?」

「パチンコ屋で見つけての ちくっと借りてきたぜよ」

それ盗んだと思われてるんじゃないの?そう言いたかったけど急に発進した原付に慌てて辰馬にしがみつく

「寒くなか~?」

「へ・・・平気!!」

風がビュウビュウとうねりを上げる中、辰馬のガシリとした背中が大きくて安心して体を預ける

このまま時が止まればいいのに 大好きな辰馬とずっとこうしていたかった

・・・本当は私も宇宙に連れて行ってほしい

だけどそれはいっちゃいけないような気がして口に出せない

辰馬に一緒に宇宙へ来いと一度も言われた事はないし・・・・

そんな事を思っていると見慣れた店の前に連れて行かれた

「スナックすまいる~!?」

「あはははははははっ おりょうちゃん!お銚子追加じゃ!ジャンジャン持ってくるきに」

女の子たちが気前のいい辰馬を取り囲みすっかり店ごと盛り上がっていた

その隅であまりの怒りで口を開けない自分・・・・

なんで!?

なんで!?普通夜のデートって言ったら遊園地とか、素敵なお食事とか、夜景の見える高台じゃないの!?

なのに何が悲しくてスナックでこうして辰馬が他の女の子たちと遊んでるところを見てなきゃならないの!?

「おまんも楽しんじょるかのぉ?」

いきなり上半身裸の辰馬が目の前に現れ、額に青筋が浮ぶ

「辰馬は楽しそうだね」

「おう!わしゃぁ楽しいが おまんはどうかの?」

「楽しい訳ないでしょ!!」

捨て台詞をはいて店外へ続く階段をひとり駆け上る

「おい?お~~~い待つきに!」

そんな声も聞こえないそぶりで振り返ることなく後にした

「辰馬のバカ!!」

早い足取りで歩いているうちに冷気にあたり興奮が冷めていく

そっと振り向いたが辰馬が追いかけてくる様子はここからではもう見えなかった

「バカ・・・三ヶ月ぶりなのに・・・・」

下を向いて歩いたのは泣き顔を誰にも見られたくなかったから

「お、原付泥棒の相方じゃねぇか」

目の前に誰かいるなんて気がつかず、思い切りぶつかってしりもちをつきそうになったけど腕をつかまれなんとか踏みとどまる

「銀さん?」

「なんだ?泥棒の癖に泣いてんのか」

「銀さ~~ん!」

思わず銀さんの胸に顔を埋めて涙をこぼす

「あのバカなんかやったか」

ため息交じりの銀さんの問いかけに涙しか出てこなかった

「辰馬 何考えてるのかわかんないよ」

「しょ~がねぇだろあいつバカだし そんなバカがいいんだろ?」

近くのコンビニの前で座り込み渡された温かい缶コーヒーを口にする

「おいしい・・・」

わたしの横に座る銀さんはコンビニのレンジで温めたホットのイチゴ牛乳で暖をとる

「わりぃなバカのせいで傷ついてるお前におごってもらって。 銀さん今日のパチンコで全部すっちまってよ」

「いいよ 情けないとこ見られちゃったし口止め料だから」

そう言って笑って見せれば銀さんは目を細めて「バカが迷惑かけるな」と、お兄さんのように謝ってくれる

「辰馬は私の事どう思ってるんだろう 私だけが好きで振り回されて・・・・すごくつらいよ」

コーヒーの缶を見つめながらつぶやくと大きな手が頭を撫でてくれる

「恋愛は惚れたほうが負け・・・なんて訳ねぇんだ ありのまま思った事言ってやんねぇと通じないぜ? なんせあいつバカだからよ」

「バカバカしつこいよ!!辰馬はバカなんかじゃないよ すごくすごく優しくて・・・だけど少しだけずれてるだけだもん」

「少し~? まあいいか あいつには駆け引きなんか必要ねぇってちゃんと分かってんじゃねぇか」

「うん・・・・」

だけどそれでも私以外見ないでなんて子供染みた嫉妬・・・・辰馬には知られたくなかった

「あ~あ 銀さんを好きになってたらもっと楽だったのに」

「じゃあ今から俺にしとく?金はねぇが愛情たっぷりだぜ?」

うつむいた顎に指をかけ上を向かせられれば紅い眼光がこちらを見下ろしている

今まで見たことのない真剣な表情に言葉が詰まった

「ぎ・・・銀・・・」

「冗談だって そんな事したらあのバカに俺殺され・・・」

「こりゃああああああああああああああああ 銀時ィィィわしの女になん手ぇ出しちょるか!!」

叫び声が聞こえたほうを見ると原付に乗って歩道を爆進してくる辰馬の姿があった

「バッ・・・バカ歩道を原付で走んなァァァ!!」

「銀時ィィィィ」

原付から飛び降りた辰馬のゲタが銀さんの顔にめり込んだ

「なんき~~~そげに怒らんでも」

あの後怒った銀さんと辰馬がつかみ合いのケンカになって大変だった

通報を受けた警察から原付に三人乗りして逃げて危うくトラックと事故りそうになって・・・・

思い出しても噴出しそうになるが、今ここで笑うわけにはいかない

「怒るよ!!銀さんは励ましてくれてたのに!!」

私のアパートに帰り辰馬とコタツに入って二人向き合う

腕組みをして睨みつければ辰馬は子供のようにシュンとうなだれていた

「だからっておまんの腰に手ぇば回しちょったぜよ?」

コタツの中で辰馬の長い足が私のひざ小僧をくすぐるけど無視して言葉をつづけた

「はぁ?だからそれは・・・・・・もしかして辰馬ヤキモチ妬いてるの?」

「三ヶ月ぶりに会えたのに彼女が他の男とイチャラしとおばヤキモチも妬くぜよ」

サングラスの向こうから拗ねるまなざしを向けられる

「何言ってんの?辰馬だってスナックすまいるであんなに!!」

「わしゃあ元気のなかったおまんば励まそうと連れて行っただけでおなごとチチくりおうてなんかおらんぜよ?」

「元気がなかった?励まそうと連れて行った?スナックに恋人を!?」

あんぐりとあいた口で辰馬を見つめれば「そうじゃき」と呟きが聞こえる

「じゃあ・・・・私を励ますため?」

確かにここのところ仕事で追い詰められて体重は落ちるし眉間のシワは深くなるしでつかれきっていた

だけどそれに辰馬が気がつくなんて・・・・

「にしても励まし方ずれてる・・・・・あんなんで喜ぶ女の子なんていないってば」

「あははは 商売をするよりおまんば励ます方がまっこと難しいぜよ」

「もう辰馬!!」

立ち上がると大柄な辰馬がビクリと肩を震わせる

「悪かったきに~ちくっと調子ばのりすぎたかと反省して・・・」

抱きついて辰馬の首に腕を絡め体を預けた

「ただ 抱きしめてくれたら・・・・それだけでいいんだよ」

「なんき・・・それだけでええんか?」

力強い抱擁にうなずいてみせる

いつもの笑い声の後、耳元で囁かれた「やっぱりバカじゃのう わしは」と甘い声にゾクッと体を震わす

長い口ずけに息も乱し、互いにみつめあえば強い意志を感じる目の奥に雄の色が伺える

「銀時と一緒におるおまんば見てわしは胸が張り裂けるかと思うた」

「辰馬 だからあれは・・・」

「わしは自分で思うとったよりおまんに惚れちゅうが」

サングラスをコタツの上に放り出しそのまま押し倒されれば真剣な瞳がこちらを覗きこんでくる

「一緒に宇宙へ来てくれんかのぅ」

「辰馬・・・いいの?」

「頼む」

ずれてる辰馬と素直じゃない私の恋はこの先も大変そうだけど、ありのまま思ったことを伝えよう

私たちの恋に駆け引きは必要ないから

「辰馬 宇宙に一緒に連れていって」

その後の言葉は繰り返す口ずけに飲み込まれて、もうつむげない

タグ